人間の耳は音楽小宇宙を把握する能力を生まれながらに備えています。最近の研究では人間の聴覚器官は生物学的に見て、音楽小宇宙の調和の自然法則を考慮に入れるような構造になっていて、侵入してくる全ての音から不調和音をできるだけ取り除いているということが最近の研究で証明されている。

同時に、生物の耳は音の侵入を許す時、音楽小宇宙に存在し、12音程音楽に存在する、不自然な音程の「強制的同一化」の概念である人工的な同等音に相反する自然界にある音の階級制度というものをより好んでいる。

従って、生物の耳は、例えば、父親が孫よりも権威があったり、母親が学校に通っている娘より権威があるといった、私たち人間の自然な家族関係にも見られるような自然に序列が決まっている家族関係の中で互いに関わって合っている音色を認識し、好むのです。

同時に、音楽小宇宙においては、内面的で繊細な音色は全て、音色や音の構造的進化の過程の中で主役が変わっていく家族関係的地域社会である一種の氏族を形成しています。

人間の目は統合された形で外の世界の動きを見ることができるので、耳も個々の音色の形状展開の多くを見分けることができるのと同時に存在しうる内面の自然生命エネルギー、生命の知性および調和を引き出すことができるのです。

多くの環境危機に引き裂かれている今日の科学技術の時代において、聡明な内科医であり、数学者でもあったピタゴラスと今の時代の偉大な音楽クリエイターの事業を再開し、現代の創造的直感の力と近代の電子技術とデジタル技術を利用して、こうした自然生命の偉大な学者の研究と発展を維持させていくことは可能であり、望ましいことであります。

メディカル＝リゾナンス＝セラピー＝ミュージック社の背景を説明する上で役立つはずの歴史に関する懐古的意見を述べることで終わりたいと思います。

メディカル＝リゾナンス＝セラピー＝ミュージック社の歴史は非常に古い時代まで遡り、芸術と宗教それに医療によってまだ一体であった時代に始まるのです。

これが人類最古の宗教的、哲学的な著作物の中に、魂を作り上げ、社会生活をの乱れを正し、全人的に人を治す一種の音楽の効果について報告されている理由である。

近代的な暦が始まる前の紀元前６世紀には、特に私が数回に渡って述べていた彼の有名な内科医、数学者、哲学者、音楽学者、音楽家でもあったピタゴラスは自然法則に合わせて作られ、そして健康において又自然との調和においても個人の人生に有益な影響結果を与えるであろう一種の音楽を応用することを支持している。

そして、この聡明な学者は、この問題への自身の取組み方によって最終的に今日の科学時代の創始者となったのである。

ピタゴラスの時代では、音楽には道徳面で人格形成を行うというしっかり意識された役割があった。この芸術の全ての特性は、人間それぞれの内面の生活を自然に正しい状態にすることと自然な調和の下で創造主とその創造物と共生するように魂を錬成することに集約されていた。